バックナンバー

#332

伊藤晴信  鈴鹿墨 有限会社 進誠堂 4代目

三重県鈴鹿市で、平安時代より1300年間作り続けられ、伝統工芸品にも指定されている
鈴鹿墨。しかし近年、その生産量は激減し、鈴鹿墨の工房は進誠堂1軒のみとなった。
進誠堂の4代目ながら、一時は東京で漫画家を目指した伊藤だが、鈴鹿墨のピンチを救う
べく、帰郷して墨職人となり、より多くの人に興味を持ってもらえるような墨の開発に邁
進。墨は黒という常識を覆すラメ入りのカラフルな色墨「煌の彩(きらのいろどり)」を
完成させた。他にも、たった1分で磨れる墨を開発し、鈴鹿市の学校の書道の授業に採用
されるなど、次々とアタラシイ墨を生み出し、鈴鹿墨の存続に力を注いでいる。

 

いとう はるのぶ

1987年 三重県鈴鹿市生まれ
 
漫画家を目指し東京で働いていたが、鈴鹿墨後継者難のニュースに出会い、帰郷を決意。
2010年より、「現代の名工」である父・亀堂の下で修行。
新しい色墨の開発のほか、中国への販路開拓など、鈴鹿墨の発展に尽力する。
2013年 三重県技術者表彰・青年優良技能者の部受賞。