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#81

大増殖!外来スズメバチ VS 命懸け地上30m全滅作戦

攻撃性と繁殖力が高く、驚異的なスピードでその生息圏を拡大するというツマアカスズメバチ。国内では、2012年に対馬で初めて発見。翌年には営巣が発見され、繁殖している事が確認されました。2015年に「特定外来生物(緊急対策外来種)」に指定され、今まさに国内での拡散が防げるかどうかの、水際での撃滅作戦が注目されています。人への被害(刺害事故)はもとより、ツマアカスズメバチの最大の影響は、生態系へのもの。特に「ミツバチ」を補食するその生態から、日本最古といわれる対馬の養蜂家への被害は甚大。すでに巣箱(蜂洞)が全滅させられたケースもあり、直接的な被害以外でも、受粉にミツバチを利用している農作物への影響も懸念されています。
襲来するツマアカスズメバチを撃滅するために闘う、対馬の人々。養蜂や農業に携わる人のみならず、島民あげて行っているのは、ペットボトルを利用して作ったトラップを使った捕獲大作戦。大学教授などの専門家も被害を未然に防ぐため、その生態の解明や対処法の研究を行っています。番組では今年5月、越冬して行動を開始した女王蜂を狙った、島をあげての捕獲作戦に密着。さらに専門家のフィールドワークにも同行。決して人ごとではない、対馬を襲う外来生物の驚異と現状をつまびらかに描いていきます。そして、撃滅作戦の最前線…巣の撤去の現場にも密着。森と平地の境界付近の高い木の上に巣を作る習性があるというツマアカスズメバチ。クレーン車なども入れない森林の中、時に30メートルもの高さの木に、1メートルを超える場合もあるという巨大な巣を作るため、その撤去は命がけ。駆除の知識と木登りのスキルをあわせ持った“ツマアカスズメバチ・ハンター”に、撃滅の命運が託されていました!
今、目の前にある危機。かつてのブラックバスやカミツキガメ、マングースなどのように、日本の生態系を壊す問題になり得る事態を防げるのでしょうか…。