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#52

負け続けた男、新幹線をつくる

昭和39年、その後の世界の鉄道を一変させた画期的な高速鉄道、東海道新幹線が開業。
戦後日本の復興の象徴であり、日本の鉄道技術の集大成、
東京~大阪間515キロを結ぶこの大路線は着工からわずか5年半というハイスピー
ドなプロジェクトだった。
しかも新幹線をつくったのは「負け続けた男」だったのだ。

男の名前は、十河信二。4代目の国鉄総裁だが就任時すでに71歳を迎えていた。
それまで鉄道省、満鉄理事、西条市長と転身するものの、いずれも志半ばに退任を余
儀なくされていた。
そんな十河に国鉄総裁就任の打診。人事権も予算執行権も持たない権限の無い総裁職、
しかしこの「負け続けた男」はそれを受諾し様々な知恵と行動力で最後の勝負に出て
新幹線をつくることになる!
十河はまず、あの蒸気機関車デゴイチ(D51)や湘南電車という名車を設計した屈指の技術者、
島秀雄を副総裁格で呼び寄せプロジェクトをスタートさせた。
もともと世界的にみて線路幅が狭く、高速化が難しかった日本の鉄道。
より広い線路幅で新しく線路を作り東京~大阪間を高速で結ぶという破天荒な企画。
技術面、金銭面、政治面などの問題点はどのように乗り越えたのか?
そして総裁である十河が最後の問題、予算面の問題を解決するため政府に対してとっ
た驚きの奇手とは?
今や世界に売り込む総合的な鉄道システムとも言える新幹線、
その「新幹線」をつくった男たち、そしてその中心にいた「負け続けた男」のストーリー!