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#11

幻の甲子園
~戦争に埋もれた球児たちの夏~

「全国高等学校野球選手権大会」は1915年(大正4年)から始まった。昔から日本人の心に深く定着してきた国民的イベントだが、1941年の第27回大会の地区予選途中から1945年まで、戦争で中止されていた時期がある。だが開催中止の翌年、1942年の夏、太平洋戦争の戦時下で、文部省が朝日新聞社から開催権を奪って主催した「幻の甲子園」があったことは、ほとんど知られていない――。軍事色が強く、記録にはカウントされていない幻の大会だ。そして、幻の大会で優勝した徳島商業の名前は、記録上なかったことになっている。
野球を愛した球児たちも、その後、出征して戦死したものが多く、生き残った球児も90歳。二度と戦争の悲しい歴史を繰り返さないためにも、彼らの声を届けたい…。
 
「幻の甲子園」には16校が出場した。今回、優勝した徳島商業高校、準優勝の平安高等学校、ベスト4の海草中学校(現在の和歌山県立向陽高等学校)、広島商業高等学校の4校にスポットをあてる。それぞれの学校の現役の高校生に、元球児たちをインタビュー取材してもらい、「70年前の青春」を掘り起こしてもらう。
 
過酷な環境下で、野球を希望に生き抜いてきた元球児の方たちと出会い、数々の貴重な証言を得ていく中で、今の若者は果たして何を感じるのだろうか?