アナログ放送からデジタル放送へ。
それは一体私たちにどんなメリットを与えてくれるのでしょうか。
「デジタル」の語源は「デジット」指という意味。指(デジット=デジタル)とは細やかに物事に適応することができるというデジタルの特長をうまく表現しています。
細分化された社会・情報に対して、柔軟に適応することのできるBSデジタル放送を詳しくご説明しましょう。
多チャンネル化
有効活用することができます。
デジタルは情報を圧縮して送ることを可能にします。ですから従来の放送よりも多くのデータを送ることが可能になり、限られた電波の範囲内でもたくさんのチャンネルを放送することが可能になりました。
BSデジタル放送では、地上波ではできなかった情報をさらに追求した番組コンテンツが放送されます。
高画質 BS デジタル放送
従来、地上波での放送は「インターレース放送」といわれ、有効走査線480iで放送・受信されています。480iの「i」とはインターレース(飛び越し走査) を意味し、走査線を1本おきに「飛び越して」画像を送っています。
半世紀も前の技術の乏しかったテレビ黎明期にテレビの電波を効率よく送るために考え出された放送方式ですが、走査線が少ないのでにじみやちらつきがあり、大画面 で長時間見ると目が疲れることがありました。また、「ハイビジョン放送」とよばれる高画質放送番組もアナログ式だったため本来のクオリティで楽しむことができませんでした。
しかし、今後は、デジタルの特徴をいかした圧縮技術(MPEG2)によって、今までにない大容量 のデータ配信が可能になり、「デジタルプログレッシブ放送」と「デジタルハイビジョン放送」の2つに代表される高画質放送が中心となります。
「デジタルプログレッシブ放送」とは480pや720pの放送方式で、「p」とはプログレッシブ(順次走査) をいい、これからのテレビ放送の主流となるといわれています。走査線を1本ずつ順番に画像を描いていくプログレッシブ方式は、パソコンモニターなどに使われてきた方式で、従来のインターレース方式に比べて垂直方向の映像信号が2倍になり、パソコン画面 のようにちらつきのない映像が楽しめます。
インターレースとデジタルプログレッシブ映像モデル
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従来のインターレース放送
(有効走査線480本)
画面比4:3 -
デジタルプログレッシブ放送
(有効走査線480本・720本) -
従来のインターレース放送では画像が交互に送られるため、ちらつきのある画面 になりますがデジタルプログレッシブ放送では全ての画像が一度に表示されるので美しい映像となるのです。
「デジタルハイビジョン放送」は、1080iと720pの放送方式があり、最高水準の高画質を楽しむことができます。 35mm映画なみの画質といわれ、大画面になっても走査線が見えず、より臨場感が味わえます。
ワイド画面
高画質を存分に楽しむためには、ワイド画面がいちばん。BSデジタル放送ではワイド画面 が主流になる予定です。従来のテレビは4:3の四角いモニターでしたが、ワイドは16:9で人の目に優しい映像となります。さらに、端から端まで映し出すので、まるで実物を目の前で見ているようなリアルで 迫力のある映像が楽しめます。
データ放送
従来の地上波でもデータ放送は行われていましたが、それはあくまで電波の隙間をぬったサービスでした。ところがBSデジタル放送はさらにサービスを進化させ、テレビを見るものから使うものへと変化させようとしています。インターネット的な使用やインタラクティブな番組の実現など、新たなデジタルコミュニケーションメディアとして期待されています。