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#1898

メモワール マセラティ90周年 レースに帰ってきたMC12

EUが主導する電動化のなかに、マセラティが純粋な内燃機関を引っ提げ颯爽と登場させた新しいスーパースポーツカー、MC20が記憶に新しいがそのMC(マセラティ・コルセ)の名を抱くMC12を振り返ることにする。実に37年ぶりにレース復帰を果たすために登場したMC12をサーキットに駆り出し、テストした模様とその前年に行われたマセラティ創業90周年イベントも合わせてご覧いただこうと思う。
 
登場車種:MASERATI MC12

 


 

#1898マセラティ90周年 レースに帰ってきたMC12
今回のメモワールは、2005年に37年振りのレース復帰を果たすために登場したマセラティMC12の「ツインリンクもてぎ」でのテストの記録に加え、その前年にイタリアで行われたマセラティ創業90周年のイベントの模様を紹介する。
松任谷正隆とCG副編集長・中村昌弘氏が、マセラティについて語り合った。

 

<2005年11月放送>マセラティ・MC12
すごい車がやってきた。あのエンツォフェラーリを、今度はマセラティが新たな目的のために自らの感性に従って仕立て直したものである。
新たな目的とは、これまでレースの世界から遠ざかってきた37年間の空白を埋めること。そして、その目的は既に昨年、FIA GT選手権に勝利することで達成されているのである。

 

エンツォは、あくまでF1のイメージを表現しているのに対して、こちらはグループCやルマンカーそのものの雰囲気である。事実、ホイールベースは15cm、カーボンのボディは44cmも長くなっている。それでいて車重はエンツォより30kg軽いのは不思議だが、65°のV12エンジンは、このロードバージョンではエンツォより28馬力ほどデチューンされている。

 

試乗した新井勉氏は「エンツォより物凄く乗りやすい。乗る前はじゃじゃ馬と想像していたが、ステアリングを握ってみると運転しやすい」と述べた。

 

<2005年11月放送>マセラティ90周年
マセラティ兄弟が力を合わせてボローニャに会社を興したのは1914年、つまり昨年が90周年ということである。
3日間にも及んだ記念イベントには、歴代のマセラティだけではなく、90年間の歴史上の出来事をボディに描いた現代のマセラティ90台も加えられて注目を集めた。モデナ市内のパレードやムジェロのサーキットラン、マセラティの工場訪問を済ませた後は、全ての参加者がローマに集結するというイタリアならではの華やかなものであった。

 

<2005年11月放送>マセラティ ティーポ 300S
マセラティMC12のルーツの一つとも言うべきマセラティ・ティーポ300S。1954年12月に1号車が完成し、その最高速度は280キロと称されていた。
試乗した伊東和彦氏は「フェラーリと比べて骨太で男っぽい印象。レーシングスポーツの300Sの方が運転していて楽しい」と語った。

 

<2005年11月放送>試乗後の感想
本日紹介した車の魅力について、松任谷と田辺憲一氏が語り合った。
松任谷は「MC12が出た時は唐突な感じがしたが、マセラティの名前を知らせていくようなものになるでしょうね」と述べた。