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#1885

美しいクルマの美術展「ARTEDINAMICA」

今週は約20年前に開催した「フェラーリ&マセラティ展」を振り返ってみようと思う。たたずむ姿だけでも存在感のあるフェラーリとマセラティを東京都現代美術館に集め開かれた展覧会なのである。走るための機械であるクルマのそれ自体が美術品として存在していることを再認識してみる試みだった。長年本誌の写真を撮り続けている北畠さん、本番組のチーフカメラマンとも言える平松さん、お二人の貴重なお話しも必聴である。

 


 

#1885 静的な美の探求 フェラーリ・マセラティ展
今回のメモワールは2002年の春、東京都現代美術館で開催された「ARTEDINAMICA」と銘打たれた美術展を振り返る。本来走ることで表現される車の美しさを、展示によって鑑賞しようと試みられたこの催しに、白羽の矢がたったのはフェラーリとマセラティ。美術品として展示された車たちは、どのような美しさを我々に見せてくれたのだろうか?
松任谷正隆とCG代表・加藤哲也氏が、当時の美術展について語った。

 

イベント公式サイト:https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/55/

 

<2002年6月放送>フェラーリ
館内に入ると最初に目に付く、フェラーリの原点である「166MM」。1949年の「ル・マン」で総合優勝し、フェラーリが国際大会でも活躍する足がかりとなった。エンジンは2リッターの12気筒エンジンで、この軽さのモデルは他に存在しない。
次の部屋で目に入るのは「250TR」。初期のモデルで、フロントのグリルに入った風を横に流すという斬新なアイデアが施されている。
他にも「ピニンファリーナ・ミトス」や「P5」、1号車の「250GTO」などが展示されていた。

 

<2002年6月放送>マセラティ
「200SI」は、2リッター4気筒エンジンのレーシングスポーツ。「ル・マン」にも出場したが、2リッタークラスということから上位に食い込むことは無かったという。
「A6 2000 ヴィニャーレ」は、恐らく1台しかないという美しいワンオフのボディ。「マセラティ クーペ」の先祖にも当たるとのこと。数々のグリルのコレクションも目にすることができた。
地下2階の吹き抜けに展示される「エルドラド」は異彩を放っており、一際目を引く。「エルドラド」は、スポンサーのアイスクリームの会社の名前だそうで、1958年にモンツァで行われたレースのために作られたという。

 

<2002年6月放送>イベントの感想
イベントの感想について、松任谷と田辺憲一氏が語り合った。
田辺氏は「日本じゃないような感じがして嬉しかった。後にも続けて欲しい」と述べた。