番組概要

赤絵礼讃 九谷焼 絵付師は語る

九谷焼の絵付師・福島武山(ふくしま・ぶざん)さん・77歳(=取材当時)。
福島さんは、結婚を機に移り住んだ石川県能美市で赤絵を始め、先人の作品を参考に独学で技を磨いた。
途絶えつつあった赤絵を復活させ、赤絵細描の第一人者となる。
福島さんは後継者の育成にも力を入れていて、娘の福島礼子さんが赤絵の絵付師として歩み始めている。
番組では、素地選びから、割り付け、小紋・人物描き、窯入れ、金入れなど、1つの作品ができるまでの一連の作業を、すべて4Kカメラを使って撮影。
赤絵細描の緻密さ・美しさを臨場感ある映像で余すところなく伝える。
 
「美は考えるものではない。一見して直に感ずる事の出来る、極めて簡単な手続きのものだ。」
 
とは、著書『陰翳礼讃』で知られる文豪・谷崎潤一郎の言葉だ。
まさに、福島武山さんの作品は、言葉なくとも誰しもがその精細な技に魅了される。
77歳。赤絵のトップランナー。
年齢を感じながらも、研ぎ澄まされた技術、培われた経験、伝統を背負う責任、すべてをまとい、赤絵に向きあう絵付師の横顔を見つめる。
 
【出演】
ナレーション:羽田美智子