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#303
今に生きる侯爵の邸宅
~東京都文京区「和敬塾本館」続編~
取材先情報
・和敬塾
東京都文京区目白台1-21-2 TEL:03-3941-6622
【開館日時】
・毎年5月から12月にかけてガイド付き見学会を月に1、2回程度
(詳しくはホームページまで:https://www.wakei.org/honkan/)
(原則非公開のため、通常は敷地内にお入りいただくことはできません)
【入館料】
・1000円(消費税別途)
【アクセス】
〔鉄道〕
・JR山手線「目白駅」より都営バス新宿駅西口行(白61)7分
・バス停「目白台三丁目」下車 徒歩1分
今回は東京都文京区の「和敬塾」続編。細川家16代当主・細川護立侯爵が、昭和11年に自邸として建てた洋館です。昭和30年から、男子学生寮「和敬塾」の本館として活用されています。続編の今回は、護立候の書斎と2階のプライベートゾーンを中心に巡ります。1階奥に位置する書斎はまるで山小屋のような設え。チューダー風を基調とする洋館の中で、最もその特徴を表わした部屋となっています。2階に上がるとまず驚くのが、洋館の中に組み入れられた和室。二間続きの上質な座敷ですが、襖を挟んで書院造風と数寄屋造風の設えに分かれているのが特徴となっています。中でも目を惹くのはサロン。3連アーチの壁とねじり柱が部屋の中に設えられたユニークな造形ですが、何に使われたのかはよく分かっていません。実はこの洋館には屋根裏の3階部分があります。そこは護立候時代には、美術品などの貯蔵庫となっていたと考えられていますが、学生寮となった初期には宿舎として使われました。現在は多目的のスペースとしてリノベーションが加えられ、講演や結婚式などにも活用されています。昭和初期を代表する華族の館は、持ち主と用途を変えながら、今も当時の佇まいを継承しています。
案内人:内田青蔵(神奈川大学建築学部 学部長)