番組表
おすすめ情報
バックナンバー
#292
屈指の資産家が造った圧巻の庭園
~三重・桑名市「諸戸氏庭園」~
建築用語チェック!
蟇股
上部の荷重を支えるための、かえるの股のように下方に開いた建築部材。
取材先情報
・諸戸氏庭園
桑名市太一丸18 TEL:0594-25-1004
【開館日時】
・春と秋のみ一般公開
・月曜休園(月曜が祭日の場合は翌日休園)
※詳しくはHPまで http://www.moroto.jp/
【入館料】
大人500円、子ども(小学生以下)200円、幼児(3歳以下)無料
【アクセス】
〔鉄道〕
JR・近鉄・養老鉄道「桑名駅」から「市内循環バス寺町」下車・徒歩で約10分
今回は三重県桑名市の「諸戸氏庭園」を訪ねます。施主の諸戸清六は、米の取引や山林経営などで並外れた商才を発揮し、一代で日本屈指の資産家へと上り詰めた立志伝中の実業家です。
明治中期に江戸時代の豪商・山田彦左衛門の庭園を買い取り、さらに隣接する田畑を加えて、合計8千坪という広大な2つの庭園を造り上げました。国名勝の庭園内には、主屋、迎賓の御殿、洋館などが建てられ、内6棟が国重要文化財となっています。敷地内には江戸期の建物も現存し、一面花菖蒲が咲き乱れる景観の中に風情ある佇まいを加えています。レンガ塀で囲まれた敷地の周囲には、伊勢湾から引き込んだ掘割を巡らせ、そこから池に注ぎ込む“汐入”の池としています。田畑だった土地には盛土をして高低差をつけ、さらに近隣から集めた石を敷き詰めて自然の造詣を造り上げました。池の向こうには壮大な御殿が建つ諸戸氏庭園。花と石、池と建物の織りなす光景は、まさに圧巻の一言です。
案内人:小沢朝江(東海大学工学部教授)