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#289
筆舌尽くせぬ茶室の庭園
~京都・宇治市「松殿山荘」茶庭編~
取材先情報
・松殿山荘(公益財団法人 松殿山荘茶道会)
〒611-0002 京都府宇治市木幡南山18 TEL:0774-31-8043
【開館日時】
随時実施いたします(年末年始、8月中は休荘です)。
10名様以上でご希望の2週間前までにご連絡の上、お申し込みください。
入荘料:1,500円(見学のみ)
※詳しくはホームページhttp://www.shoudensansou.jpまで
【アクセス】
・JR奈良線、京阪電鉄宇治線 木幡駅下車 東へ約1km 徒歩約20分
今回は京都府宇治市の「松殿山荘」続編。松殿山荘は、山荘流の創始者である茶人・高谷宗範が、自らの流派を実現するために造営した庭園と建物群です。広大な敷地の中央に建つ本館は、庭園に面して大書院や中書院などを並べた大規模建築で、その周囲には大小の茶室群などが配置されています。いずれの建物も宗範の基本思想である“方円”を基にした、丸と四角を用いた独創的な意匠でまとめており、唯一無二の茶の湯の空間を創出しています。作庭と設計は全て宗範自身の手によって行われ、土地の高低差を活かして庭園と建物を見事にレイアウトしています。書院の庭と小間の庭には、それぞれの雰囲気に見合った異なる作庭を施し、開口部から望む見事な庭の風景は、筆舌に尽くしがたいほどの美しさです。宗範の美意識が隅々まで行き渡った松殿山荘。京都通を唸らせる宇治の隠れた名所です。
案内人:矢ヶ崎善太郎(大阪電気通信大学工学部教授)