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#282

世紀を超える現役の倶楽部
~群馬県桐生市「桐生倶楽部会館」~

今回は群馬県桐生市の「桐生俱楽部会館」を訪ねます。桐生倶楽部は、地元財界人の懇親を目的として、大正7年(1918年)に設立された親睦団体です。翌年に建てられた会館は、日本初のスパニッシュ建築といわれ、現在でも桐生倶楽部の会館として現役で使われています。日本にもたらされた最初期のスパニッシュだけに、屋根にはオレンジ色に焼いた日本の桟瓦を使用していたり、壁に半円形の彫り込みを入れてアーチ窓を模していたりと、様々な試行錯誤の跡が見て取れます。外観はスパニッシュ風ですが、じつは内部の様式は、当時のドイツ・オーストリアで生まれた幾何学デザイン「セセッション」。スパニッシュもセセッションも、当時の最新デザインをいち早く取り入れたこの会館は、織物産業で栄えた桐生の誇りを象徴する建物です。
 
案内人:内田青蔵(神奈川大学建築学部学部長)

取材先情報

・桐生倶楽部会館
群馬県桐生市仲町二丁目9番地36号 TEL:0277-45-2755(一般社団法人桐生俱楽部)
【開館日時】
 ・午前9時から午後5時
 ・お盆休み・正月休み 
  見学は桐生倶楽部へお問い合わせください。
  ※敷地内禁煙となっております。
【アクセス】
 〔鉄道〕
 1.JR両毛線にて「桐生駅」出口から徒歩15分