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#251
生糸商人が贅を尽くした銘木の館
~福島県三春町を伝承する「旧吉田家住宅」~
取材先情報
・旧吉田家住宅(三春町文化伝承館)
福島県田村郡三春町字大町82
TEL:0247-62-5263
開館時間
午前9時から午後4時30分まで
休館日等
月曜日・祝日の翌日(月曜日が祝日の場合はその翌日が休館)
※冬期休館があります(12月から2月までは平日は休館。土日祝日は開館)
入館料
無料
現在離れの蔵座敷「紫雲閣」は修復工事の為公開を中止しています。
※特別公開の予定がありますので
詳しくは下記ホームページをご覧ください。
貸館として利用可能。
三春町文化伝承館のご案内 – 三春町ホームページ (town.miharu.fukushima.jp)
【交通】東北新幹線 郡山駅から車20分
JR三春駅から車10分
駐車場
伝承館には専用の駐車場なし。
三春交流館「まほら」駐車場(徒歩5分)
公共施設駐車場(徒歩10分)
今回は福島県三春町に残る「旧吉田家住宅」を訪ねます。吉田家住宅は、生糸商人として一代で財を成した吉田誠次郎によって、明治30~40年代にかけて造られた本邸です。吉田誠次郎は生糸取引のために東京や横浜に足繁く通い、当時最新の文化や工芸品などを目にしています。やがて彼は、外国人相手に日本の美術・工芸品など扱う骨董商なども手掛けるようになりました。そんな誠次郎が自らの知見を元に建てたのが吉田家住宅です。外観は一見普通の近代和風建築ですが、ひとたび内部に入ると、他では見られないユニークな世界が現れます。まず玄関を上がると、正面に「押板」と呼ばれる奥行きの浅い床の間が現れます。押板は古い形の床の間で、なかなか近代和風の家には見られないものです。子供室と呼ばれる3畳間に入ると、楓の自然木を用いた床柱や、出節付きの薩摩杉の天井、さらに客間には紫檀・黒檀・鉄刀木の唐木三大銘木を始め、黒柿・栗・棕櫚・桐・櫟など、まさに銘木三昧の設えに目を奪われます。そんな“銘木の館”の全体を見渡すと、実は確固たるコンセプトが見えてきます。それは謡曲と和歌。旧吉田家住宅は、幅広い知識を備えた三春商人を伝承する名建築です。