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#248
大農場に建てられたドイツの洋館
~明治の外交官が造った「旧青木家那須別邸」~
取材先情報
・旧青木家那須別邸
栃木県那須塩原市青木27 TEL:0287‐63‐0399
開館時間
【夏期4月から9月まで】午前9時から午後5時30分
【冬期10月から3月まで】午前9時から午後4時30分
休館日
【5月から10月】令和3年5月10日、7月5日、9月6日
【11月から4月】毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)
及び12月29日から1月3日まで
観覧料
【大人】200円
【小中学生】100円
駐車場
道の駅「明治の森・黒磯」内に無料駐車場完備
【交通】:JR宇都宮線 黒磯駅西口から車で約20分
バスでお越しの場合、「JR黒磯駅→板室温泉」行きに乗車し
「青木別荘前」下車すぐ。
※那須塩原駅から板室温泉行きバスも出ています
【車】東北道那須インターチェンジから9km。
東北道黒磯板室インターチェンジから県道53号~369号経由
7.5kmほど
今回は栃木県那須塩原市に残る重要文化財、「旧青木家那須別邸」を訪ねます。明治時代にドイツ公使や外務大臣などを務めた青木周蔵が明治21年に建てた別荘です。長い間ドイツで暮らした周蔵は、現地の貴族たちが広大な農場に別邸を建てて暮らす姿に影響を受けます。そこで明治14年、当時荒れ地だった那須を一から開拓して農場を拓き、本格的なドイツ風の洋館を建てたのです。設計を担当したのは松ヶ崎萬長という建築家。岩倉使節団に加わりドイツに渡った彼は、ベルリン工科大学で建築技術を学んで帰国。青木周蔵の求めに応じて、絵のように美しいドイツ風の洋館を造り上げました。個性的なマンサード屋根に大きなドーマー窓、コロニアル風のベランダなど、当時ドイツで流行していた外観を見事に実現しています。なかでも目を惹くのはスレートで作られた鱗壁。一枚一枚にツタの葉を象っています。内部は意外なほどシンプルで、いかにも農園の別荘という趣ですが、明治時代によくある和洋折衷的な要素はほとんどなく、完全な西洋式の家を造り上げました。ドイツ建築を日本に取り込んだ旧青木家那須別邸は、明治の日本とドイツの文化交流史を知る上で貴重な名建築です。