番組表
おすすめ情報
バックナンバー
#238
ドイツスタイルの鮮やかな洋館
~群馬県沼田市「旧土岐家住宅洋館」~
取材先情報
・旧土岐家住宅洋館
群馬県沼田市上之町1160‐1 TEL:0278-22-3110(生方記念文庫)
休館日:水曜日(水曜日が祝日の場合は木曜日)
祝日法による休日の翌日
年末年始(12月29日から1月3日)
入館料:大人 110円(20名以上の団体料金 60円)
中学生以下の方は無料。
身体障害者手帳、療育手帳または精神障害者保健福祉手帳の
交付を受けている方とその付き添いの方1名は無料。
開館時間:午前9時30分から午後5時 ※最終入館時間午後4時30分
交通:公共交通機関 JR沼田駅から関越交通バス6分。「上之町」下車
自動車 関越自動車道沼田I.C.から約10分
駐車場:旧沼田貯蓄銀行南側にあり(普通車2台、軽自動車2台)
今回は群馬県沼田市に建つ、「旧土岐家住宅洋館」を訪ねます。江戸中期以降、代々沼田藩主を務めた土岐家18代目当主・土岐章子爵が、大正13年に東京・渋谷に建てた自邸です。一時取り壊しが検討されましたが、保存を願う家族と関係者の熱意により、土岐家ゆかりの沼田市に移築されました。最大のデザイン的特徴は、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパで起こった新芸術運動のドイツ版である「ユーゲント・シュティール」で造られていることです。最初に目を惹くのは“牛の目”と呼ばれる窓。急こう配の屋根に穿たれた緩やかなカーブを持つ独特の造詣は、一際印象的に映ります。濃茶の下見板と黄色いドイツ壁で生み出すツートンカラーの外観と合わせて、今も色褪せない新鮮さを醸し出しています。施主の土岐子爵は無類のパン好きとして知られ、世間からは“パンの殿様”と呼ばれていました。帝国大学では発酵学を学び、その後務めた会社でドイツに派遣され、さらに発酵学を深めています。そのドイツで見た建物に影響を受け、ユーゲント・シュティール様式を取り入れたのです。旧土岐家住宅洋館は、当時の日本における、ヨーロッパ芸術運動の影響を知る貴重な名建築です。