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#219
樋口一葉が通った「旧伊勢屋質店」
~東京・本郷に残る明治期の町家~
取材先情報
・旧伊勢屋質店(菊坂跡見塾)
東京都文京区本郷5丁目9番4号
TEL:03-3941-7420(跡見学園女子大学文京キャンパス事務室)
※新型コロナウイルス感染症予防対策の一環として、
2020年5月6日(水)までは臨時休館といたします。
(今後の状況により休館延長等の可能性あり)
公開日:金曜日・土曜日・日曜日・11月23日(一葉忌)
(このうち年間60日程度公開。年末年始、大学行事日等を除く)
※悪天候等により、予告なく休館する場合があります。
公開時間:昼12時~午後4時(最終入場は午後3時30分)
※詳細および臨時休館等は、跡見学園女子大学のホームページを
ご確認ください。
入館料:無料
※混雑時は入場までお待ちいただく場合がございます。
予約は受け付けておりません。
お手洗い、駐車場、駐輪場はございません。
館内での写真撮影はご遠慮ください。
館内は完全禁煙となっております。
交通:都営大江戸線・三田線「春日駅」より徒歩約5分
東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」より徒歩約7分
東京メトロ丸ノ内線、都営大江戸線「本郷三丁目駅」より徒歩約7分
今回は東京都の文京区本郷に残る「旧伊勢屋質店」を訪ねます。伊勢屋質店は、かつて文豪たちが多く住んでいた本郷菊坂に建っています。菊坂界隈は空襲の被害が比較的少なく、近年まで古い町家が多く残されていましたが、時代と共に新たな町並みへと姿を変えていきました。そんな菊坂に残された伊勢屋質店は、明治20年に移築された「袖蔵」と、明治40年に建てられた「見世」が並んだ伝統的な関東商家です。この家の価値をさらに高めているのが、樋口一葉ゆかりの歴史を持っていることです。明治23年に菊坂に居を構えた一葉は、借金を抱えたまま事業に失敗した父親の亡き後、樋口家の戸主として母と妹を養う日々を過ごしていました。小説家を目指しますが原稿料もままならず、やがて生活苦のために伊勢屋質店通いが始まります。その当時の困窮した生活ぶりや伊勢屋に持ち込んだ質草など、事細かく彼女の日記に綴られています。やがて「たけくらべ」や「にごりえ」など後世に残る名作を次々に発表し脚光を浴びますが、結局経済的には恵まれず、24歳で他界するまで伊勢屋通いは続きました。樋口一葉を支えた伊勢屋質店には、天才的女流作家の生きざまが大切に保管されていました。