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#218
近代三大茶人が織りなす茶室群 ~箱根強羅公園「白雲洞茶苑」~
取材先情報
・白雲洞茶苑
神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300強羅公園内 TEL:0460-82-2825
営業時間:午前10時~12時・午後13時~16時
休業日:不定休
交通:【電車】小田原駅から60分
強羅駅から徒歩で5分
※台風19号の影響により、箱根登山鉄道は箱根湯本~強羅間で
運転を見合わせています(バスによる代行輸送を実施中です)
【自動車】東名御殿場ICから乙女峠、仙石原経由、強羅まで約30分
小田原厚木道路小田原西ICから箱根湯本、宮ノ下経由、
強羅まで約30分
※所要時間は目安です。渋滞や道路状況、天候などにより
大幅な差が生じる場合がありますので、ご注意ください。
駐車場:普通車43台完備 (有料 1H / 300円)
※貸切バスにてご来園のお客様は、事前に必ず貸切バス駐車場の
ご予約をお願いいたします。
今回は箱根・強羅公園内に残る「白雲洞茶苑」を訪ねます。強羅公園は大正3年に開園した日本初のフランス式整型庭園。白雲洞茶苑は、そんな洋風庭園の一角に溶け込むように建つ茶室群です。この茶苑を造営したのは三井財閥を支えた実業家・益田孝。彼は「鈍翁」の号を持つ茶人としても知られ。早雲山から崩れ落ちてきた巨石を巧みに生かして茶苑全体をレイアウトしています。大正11年にはこの茶苑を横浜・三溪園を造営した実業家の原三溪に譲り渡し、さらに昭和15年、電力王として知られる実業家・松永耳庵へと譲渡されました。三溪と耳庵も茶人として名高く、鈍翁を加えたこの3人は、“近代三大茶人”と称されています。その3人が継承した唯一の茶室がこの白雲洞。まず大正5年に益田鈍翁によって、古材を使った田舎家風の「白雲洞」、上段に構えた本席を持つ茅葺の茶室「不染庵」、質素な山小屋風の寄付と、巨石の間に造った浴室「白鹿湯」を造りました。その後を受けた三溪は、「対字斎」と呼ばれる懸造りの茶室を増築。最後に継承した耳庵が独特の美意識で一部に手を加えています。そんな三大茶人が織りなす白雲洞茶苑。まさに現代に残された奇跡の茶の湯空間です。