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#202

伝説的棟梁の造った名旅館
~横山大観ゆかりの熱海「大観荘」~

今回は静岡県熱海市の旅館「大観荘」を訪ねます。全国有数の温泉地・熱海は、別荘地としても名を馳せた歴史があります。そんな熱海の街を一望する高台にそびえるのが大観荘。元々は実業家のゲストハウスとして建てられましたが、昭和23年に旅館として営業を始めています。旅館創業当時から増築を重ね、今では客室数が57にも及ぶ巨大旅館となりました。驚くことに、そのすべてが異なるデザインをしています。手掛けたのは平田雅哉という伝説の数寄屋大工棟梁。数多くの一流旅館や料亭を手がけた名匠です。本館、南館、西館など多くの棟が並び立つ大観荘ですが、平田棟梁はそのほとんどの建築に関わり、彼の40代から70代にかけての変遷を見て取ることが出来ます。もともとは茶室の大工として修業した平田棟梁ですが、意外なことにその作風は実にモダン。同時期活躍した近代数寄屋の巨匠・吉田五十八とは、ライバル関係にあったと言われます。今回はその中でも特徴的な6部屋をご紹介。とりわけ50代で造った南館は外観も当時のままに残され、棟梁の特徴的な作風を知ることが出来ます。名匠が生涯にわたり造り上げた大観荘は、こだわりと矜持が刻み込まれた名建築です。

取材先情報

横山大観ゆかりの宿 熱海大観荘
静岡県熱海市林ガ丘町7番1号
TEL:0557-81-8137
※建物見学のみの公開はしておりません。
チェックイン:午後2時~
チェックアウト:~午前10時30分
交通機関:東海道新幹線にて熱海駅下車 タクシーにて約5分※定時送迎有
車:
【東京方面から】東名厚木ICから小田原厚木道路へ~小田原西IC~石橋IC~135号線(真鶴道路・熱海ビーチラインも利用可)を経て熱海へ
【大阪方面から】東名沼津ICまたは新東名長泉沼津ICから伊豆縦貫道へ~大場・函南IC~熱函道路を経て熱海へ駐車場:約40台分有り(無料)

※上記以外の情報については、公開出来ません。