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#194

明治政界の奥座敷「大磯邸園」
~旧大隈重信別邸と陸奥宗光別邸跡~

今回は神奈川県大磯町に広がる「明治記念大磯邸園」を訪ねます。湘南発祥の地として知られる大磯町は、相模湾に面した風光明媚な環境と温暖な気候から、明治以降政財界人の別荘地として人気を博しました。そのため大磯は“明治政界の奥座敷”とも称されています。今回2人が訪ねるのは、そのうちの「旧大隈重信別邸」と「陸奥宗光別邸跡」。長い間企業所有の施設として非公開でしたが、明治150年にあたる平成30年に大磯邸園という名で特別公開されました。旧大隈重信別邸は明治30年竣工の木造の平屋建て。宴会好きだったと伝わる大隈らしく、書院風の富士の間では度々酒宴が開かれたと言われます。書斎として使われた座敷は、明治30年当時としては斬新なガラス戸が時代の先取りを主張していました。一方陸奥宗光別邸は明治27年に建てられた後、古河財閥の創設者である古河市兵衛が継承しましたが、関東大震災で倒壊。その後3代目の虎之助が跡地に別荘を建て、現在までその姿を留めています。雁行した数寄屋風の外観と上質な遊びの見られる内部の意匠の中に、近代的合理性が同居しています。明治記念大磯邸園は、かつての一大別荘地の面影を色濃く留めていました。

取材先情報

明治記念大磯邸園
神奈川県中郡大磯町西小磯85ほか
TEL:0463-79-8700(国営昭和記念公園事務所大磯分室)
 ※今後の公開情報に関しては国営昭和記念公園事務所ホームページでご確認ください。
交通:
・JR 東海道本線 大磯駅 徒歩15分(1km)
・大磯駅より神奈中バス乗車、「白岩大門」または「統監道」下車3分
・国道1号「滄浪閣前」交差点すぐ
駐車場なし

※上記以外の情報については、公開出来ません。