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#193

麗しきスパニッシュの名建築
~大都会新宿に残る「小笠原伯爵邸」~

今回は、東京新宿区に残る「小笠原伯爵邸」を訪ねます。小笠原邸は、小倉藩10代当主の小笠原忠忱の嫡子である小笠原長幹伯爵が、昭和2年に自邸として建てたスパニッシュスタイルの洋館です。日本にスパニッシュスタイルの建物が導入されたのは大正末から昭和初期にかけてのことで、小笠原邸はその初期の代表例となっています。戦後GHQの接収を経た後、昭和27年に東京都の所有となり、建物は児童相談所として活用されました。しかし老朽化により昭和50年に施設が移転。その後長い間空き家状態が続き、一時は解体も検討されました。そこで東京都は民間への貸し出し保存を決定。傷んだ建物の修理復元を条件に業者を公募し、平成14年からレストラン「小笠原伯爵邸」として保存運営がなされています。古写真をもとに忠実に行われた修復工事のおかげで、小笠原邸は竣工当時の輝きを取り戻しました。華麗なスパニッシュの意匠や、アンティークで合わせた調度類など、すべてオリジナルであるかのような錯覚を覚えるほどです。中でもイスラム風の細かな意匠が施された喫煙室の美しさは特筆もの。造形だけではなく建物のストーリーまで取り戻した小笠原伯爵邸は必見です。

取材先情報

・小笠原伯爵邸
東京都新宿区河田町10-10  TEL:03-3359-5830
レストランの営業時間:
【Lunch】午前11時30分~午後3時(L.O.午後1時)
 【Dinner】午後6時~午後11時(L.O.午後8時)
※要予約
※邸内見学(案内付き)は希望者に対応
【カフェ&バル】午前11時30分~午後8時(L.O.午後7時半)
※邸内見学(案内付き)は15:30より
貸切等、レストランの状況によりお受けできない場合も
あるため、事前電話にてお問い合わせください。
定休日:なし(但し年末年始を除く)
※ブライダル・パーティのお問合せはTEL:03-3359-5833まで
    ※月に1回、建物を無料公開しております。
     詳しくは小笠原伯爵邸ホームページをご確認ください(事前予約定員制)。
交通:【電車】都営大江戸線 若松河田駅下車 河田口より徒歩1分

※上記以外の情報については、公開出来ません。