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#191
奈良に佇む志賀直哉旧居
~名作「暗夜行路」を完結させた家~
取材先情報
・志賀直哉旧居(奈良学園セミナーハウス)
奈良県奈良市高畑町1237-2
TEL:0742-26-6490
開館時間:
午前9:30~午後5:30 (3月~11月)
午前9:30~午後4:30 (12月~2月)
休館日:年末年始(12/28~1/5)
※文化活動等に限り、貸切利用が可能です。事前にご相談ください。
(使用料金は志賀直哉旧居ホームページをご確認ください)
入館料:一般 350円・中学生 200円・小学生 100円
交通:
【車】県営高畑駐車場をご利用ください
【電車・バス】JR奈良駅、近鉄奈良駅下車(市内循環バス)
奈良交通バス約10分「破石町」バス停下車 東へ徒歩4分、北へ1分、旧居の標識があります。
※上記以外の情報については、公開出来ません。
今回は、奈良市に残る『志賀直哉旧居』を訪ねます。「暗夜行路」など多くの作品で知られる文豪志賀直哉が、昭和4年から9年間暮らした家です。名作「暗夜行路」は、この時代に完結されたことでも知られています。春日大社のほど近くに建つ志賀邸は、木造一部2階建ての瀟洒な佇まいをしています。興味深いことに、設計したのは志賀直哉自身。数寄屋建築を基調としながらも、昭和初期のハイカラな造形を盛り込んだ空間は、白樺派の文人たちが集うサロン的な役割も担っていました。中でもその特徴を最も強く表しているのが食堂とサンルーム。和風の壁と障子戸、さらには床の間風のスペースまで持つ食堂ですが、板敷の床にダイニングテーブルと椅子が用いられ、全体的には洋風の趣を醸し出しています。その隣にあるサンルームはさらに個性的。見事な数寄屋の技で彩られた空間に、なぜか洋風の窓に大きな天窓までついています。四半敷きの床にはやはり椅子とテーブルが置かれ、施工した数寄屋大工棟梁の職人技と、志賀直哉自身のモダンな設計が生み出した、唯一無二の部屋となっていました。志賀直哉旧居は、白樺派を中心とした昭和初期の奈良の文人文化を伝える貴重な建物です。