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#190

東洋一と謳われた洋館
~壮麗なるチューダー様式「旧前田家本邸 洋館」~

今回は東京駒場に建つ、旧前田家本邸洋館を訪ねます。旧前田家本邸は、前田家16代当主利為侯爵の居宅として、昭和3年から5年にかけて建てられました。現在駒場公園として開放されているかつての敷地内には、主に生活の場として使われた洋館と、迎賓のために建てられた和館とが保存され一般に公開されています。以前番組では和館を紹介しましたが、今回は2年以上にわたる大規模な修復工事が完成した洋館を拝見します。まず目を奪われるのは壮麗なチューダー様式の外観。まるで城郭のような尖塔を持つその姿は、竣工当時“東洋一の洋館”と謳われたほどです。玄関を入ると最初に迎えられるのは、真紅の絨毯が敷かれたゴージャスな階段広間。装飾の彫り込まれた大理石の柱が聳え立ち、重厚な空間を演出しています。1階部分は応接間と2つの客室、さらに大小の食堂で構成され、部屋ごとに異なる豪華な設えには言葉を失うほどです。2階部分は侯爵家の私的なエリアで、寝室や書斎、夫人室や子供部屋が並んでいます。絢爛豪華な絹織物や、金唐紙など最上級の素材で飾り立てた意匠には驚くばかりです。旧前田家本邸洋館は、戦前の上流華族の暮らしぶりを伝える華麗な名建築です。

取材先情報

・旧前田家本邸 洋館
東京都目黒区駒場4-3-55 目黒区立駒場公園内
TEL:03-3466-5150

公開時間:
午前9時から午後4時30分まで
※駒場公園の閉園時間も午後4時30分ですので御注意ください

休館日:
月曜日・火曜日(ただし祝日の場合は開館)
年末年始 (12月29日から1月3日まで)

見学料:
無料(1、2階公開部分)
※公開日でも貸出しを行っている部屋については、御覧いただけない場合があります。
※「駒場ガイドの会」が建物や歴史について無料ガイドを行っています。所要時間40分~50分(予約不要)

交通:
・京王井の頭線「駒場東大前」駅 西口下車 徒歩12分
・小田急線「東北沢」駅 又は「代々木上原」駅 徒歩13分
・東京メトロ千代田線「代々木上原」駅 徒歩13分
・東急バス渋谷駅より幡ヶ谷行き「代々木上原」 徒歩3分

※和館については目黒区駒場公園和館管理事務所(03-3460-6725)にお問い合わせください。

※上記以外の情報については、公開出来ません。