バックナンバー

#185

湘南に吹いたアメリカンハウスの風
~「大磯迎賓舘」と「旧近藤邸」~

今回は“湘南の中心地”大磯と藤沢に残る2軒の別荘を巡ります。明治以降日本の西洋建築は、欧州の様式建築を手本としてきました。しかし大正時代になると、自由で合理的なアメリカ式の建築が徐々に取り入れられてきます。その端緒とも言える建物が大磯の「旧木下家別邸」で、アメリカで生まれたツーバイフォー工法を日本の民家に取り入れた最初期の建物として知られています。ビクトリアンスタイルで彩られた白亜の洋館には和の要素が1つも見られず、完璧なアメリカンハウスとして建てられました。現在は「大磯迎賓舘」という名のレストラン兼結婚式場として活用され人気を博しています。続いて向かった藤沢には、同じくツーバイフォーを用いた「旧近藤邸」が残されています。元々は辻堂の海岸近くにあった別荘で取り壊しが検討されましたが、地元市民などの保存運動が沸き起こり、藤沢市によって現在の地に移築保存されました。こちらはフランク・ロイド・ライトの一番弟子である遠藤新の設計で、大正14年に建てられたモダンな作品です。ライト風の直線を生かした外観は、今も色褪せることない魅力を放ちます。大正時代の湘南に吹いた、アメリカンハウスの源流に迫ります。

取材先情報

・旧木下家別邸(大磯迎賓舘)
神奈川県中郡大磯町大磯1007 TEL:050-3385-0013
レストランの営業時間:【Lunch】午前11時30分~午後2時(L.O)
           【Dinner】午後5時30分~午後8時(L.O)
定休日:水曜日
※ブライダル・パーティのお問合せはTEL:050-3385-0418まで
交通:【電車】JR大磯駅より徒歩1分
【車】・小田原厚木道路 大磯ICより15分
・東名高速道路 秦野中井ICより25分
・西湘バイパス 大磯港ICより5分
       ※駐車スペース3台(事前予約制)

・旧近藤邸
神奈川県藤沢市鵠沼東8番1号 TEL:0466-23-2415(藤沢市民会館)
見学時間:午前9時から午後5時まで
休館日:月曜日、休日の翌日、12月28日~1月4日
入場料:無料
交通:JR東海道本線藤沢駅南口・小田急線藤沢駅・江ノ電藤沢駅より
徒歩10分

※上記以外の情報については、公開出来ません。