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#183
下館商人 蔵の家 ~老舗に暮らす「荒川家住宅」~
取材先情報
・板谷波山記念館
茨城県筑西市甲866-1 TEL:0296-25-3830
開館時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日:毎週月曜日・年末年始(12月28日~1月4日)※休日の場合はその翌日
入館料:200円・団体150円(10名以上)、高校生以下無料
※しもだて美術館との共通券あり
※障害者手帳等をお持ちの方と付き添いの方1名は入館無料
交通:【電車】水戸線下館駅下車、北口より徒歩10分
【車】常磐自動車道谷和原ICから国道294号線で約40Km
駐車場:あり(無料)
※上記以外の情報については、公開出来ません。
今回は茨城県下館(現筑西市)に残る「荒川家住宅」を訪ねます。下館は江戸時代から栄えた商家町。今でも店蔵や石蔵などが点在し、当時の面影を残しています。今回訪れる荒川家も、かつて醤油醸造を営んでいた“下館商人”の建てた家。現在は13代目のご当主が酒屋として継承しています。敷地内には明治40年の店蔵と、昭和8年の主屋の他、明治から大正期に建てられた付属屋、内蔵、石蔵が建ち、そのすべてが国の有形文化財に登録されました。下館商家の典型的な構えを見せる店蔵もさることながら、何より目を惹くのは木造3階建の主屋。外観は洋風なのですが、屋根には和風の宝形屋根が載せられ、昭和初期に流行った「帝冠洋式」をいち早く採用しています。そんな洋風の外観とは裏腹に、内部に洋室はひとつもありません。しかし昭和初期の建物らしく、通気性など合理的な仕組みが至る所に見受けられ、伝統的な和の意匠の中に巧みに取り込んでいます。最も驚くのが内蔵の鏝絵。土蔵の広い壁を一面キャンバスに見立てたその作品には、当時の左官技術の恐るべき力量が伝わってきます。近年その姿が次々に失われる中、荒川家住宅は下館商家の往時を伝える貴重な文化遺産です。