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#178

風の吹き抜ける迎賓館
~筑波山麓「旧矢中邸」別館~

今回は、つくば市北条の「旧矢中邸」の続編として、隣接する「別館」を紹介します。旧矢中邸は建築材の発明家である矢中龍次郎が、自身の発明品を用いて建てた実験的邸宅です。今回拝見する別館は、賓客を迎える目的で建てられた迎賓館。和の意匠が目を惹く本館に対して、ユニークな和洋折衷の設えが特徴となっています。まず驚くのは、鉄筋コンクリート造と木造が重なり合った外観。大谷石の外壁を用いた洋風の1階部分に対して、木造の2階部分には、まるで御殿のような反り返った大屋根が載せられています。一方建物の内部にも、皇族関係者などの来賓を想定したとされる豪華な意匠がいたるところに施されています。1階の広い食堂に足を踏み入れると、目の前に広がるのは部屋一面を彩る水墨画や杉戸絵。まさに皇室建築の趣が漂います。2階に上がって本館の屋根を見下ろすと、和風の瓦屋根の中央がビルの屋上のように平面なっているのに気が付きます。これこそ矢中龍次郎の発明家たるゆえん。自身が開発した防水剤を誇示するかのように、本来あり得ない造形を実現しているのです。旧矢中邸別館は、先進的な建材を用いた独創的な造形と、豪華な意匠が同居した迎賓館でした。

取材先情報

旧矢中邸(矢中の杜)
茨城県つくば市北条94-1
Email:yanaka.no.mori@gmail.com (NPO法人“矢中の杜”の守り人事務局)
TEL:090-6303-4531(10:00-17:00)
公開日:毎週土曜日
  ※他のイベント等のため実施しない日もありますので、
  矢中の杜ホームページやメール等でご確認ください。
公開時間:午前11時~午後4時(最終受付午後3時30分)、
  ※ガイドツアーは午前11時~、午後1時~、午後3時~ 計3回
 (各回所要1時間程度)
  それ以外の時間帯は自由見学
料金:お一人様500円(邸宅維持修繕協力金として・中学生以下無料)
定員:ガイドツアーは各回10名程度
  ※ガイドツアーには、邸宅の保護のため定員を設けておりますので、
   事前のご予約をおすすめいたします。
  ※土曜日以外の貸切見学にも対応いたしますので、矢中の杜事務局まで
   ご相談ください。貸切見学の場合は邸宅維持修繕協力金をお一人様
   750円お願いしておりますので、ご協力をお願いいたします。
交通:【電車・バス】
  ・つくばエクスプレス・つくば駅から「つくバス北部シャトル」
   筑波山口ゆき約30分、「筑波交流センター」下車徒歩15分
  ・つくばエクスプレス・つくば駅から「つくバス小田シャトル」
   筑波交流センターゆき約45分、「北条仲町」下車徒歩1分
  ・常磐線・土浦駅から関東鉄道バス筑波山口ゆきまたは下妻駅ゆき約40分、
  「北条仲町」下車徒歩1分
   【自動車】常磐道土浦北ICから国道125号線経由で約12km
   ※駐車場はございませんので、北条商店街の共用駐車場または
    旧矢中邸裏手の市営駐車場をご利用ください。

宮本家住宅
茨城県つくば市北条188 TEL:029-867-0026
※店蔵を公開しております。
詳しくはお問合せください。

北条ふれあい館(旧田村呉服店)
茨城県つくば市北条39 TEL:080-6788-0693
開館日:土・日・祝日
開館時間:午前10時~午後4時

平沢官衙遺跡歴史ひろば
茨城県つくば市平沢353 TEL:029-867-5841
※お問い合わせはTEL:029-883-1111(代表)つくば市教育局文化財課まで
開館時間:午前9時~午後4時30分
休館日:毎週月曜日、祝日の翌日、年末年始(12月28日~1月4日)
入館料:常磐自動車道土浦北ICより、国道125号線経由約40分
駐車場:無料
※遺構復元広場(歴史的建造物等復元ゾーンを除く)は常時開放しています。

※上記以外の情報については、公開出来ません。