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#174
知の巨人が造った美の館
~金華山に抱かれた岐阜・抱石庵~
取材先情報
・久松真一記念館(抱石庵)
岐阜県岐阜市長良福光228-2
TEL/FAX:058-231-5317 E-mail:shsm@io.ocn.ne.jp
開館日:毎月第2、第4日曜日
開館時間:午前10時~12時、午後2時~4時
※ご観覧は予約制です。7日前までに電話、FAX、E-mailでお申し込み下さい。
※上記の日程がどうしても調整がつかない場合は、ご相談ください。
入館料:1,000円(お抹茶とお菓子をご用意いたします)税込み
交通:【電車・バス】
JR東海道線岐阜駅下車、岐阜バスのりば12番のバスに乗車(約25分)
「長良高見」下車、後方の歩行者専用信号を渡り突き当たり
(岐阜高見郵便局)を左折、直進約100m左側が入口です。
【自動車】岐阜駅より長良橋通り(高富街道)高富方面へ北進、
福光東3交差点右折、突き当たりを左折し直進。
ショートステイ長良グリーンビレッジ(旧岩砂病院)北すぐ。
※上記以外の情報については、公開出来ません。
今回は日本を代表する哲学者、久松真一の邸宅「抱石庵(ほうせきあん)」を訪ねます。久松真一は明治22年、岐阜県の長良に生まれました。京都帝国大学時代には、西田幾多郎のもと仏教哲学を学び、やがて禅の世界へと研究テーマを進めていきます。晩年は、ヨーロッパへと渡りハイデッガーやユングなどの哲学者・思想家との交流をはかる傍ら、東洋の哲学・文化の紹介に努めました。その彼が弱冠24歳で建てた家が抱石庵です。建物は大正期に建てられた木造2階建。現在は記念館として一般公開をしています。内部には、数寄屋造りを基調とした中に、禅と茶の思想を取り込んだ独特の世界観が広がっています。1階の「主座敷」には、残月床風に設えられた上段床と、その横には、何と本来同居するはずもない花頭窓風の出入り口。しかも床の落し掛けの上部には、透かし彫りの欄間が施されています。2階の座敷には、琵琶床、畳床、踏み込み床という3つの床と床脇を一列に配し、天袋と地袋を違い棚風に設えています。伝統的な日本建築を知り尽くしたうえで、あえて従来の建築的既成概念を打ち壊す驚くべき発想。抱石庵には、“知の巨人”久松真一の思想的造形が満ちていました。