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#161

カントリージェントルマンの夢の跡
~農場内に残された「旧岩﨑家末廣別邸」~

今回は、千葉県富里市の「旧岩﨑家末廣別邸」を訪ねます。末廣別邸は、旧三菱財閥三代目総帥である岩﨑久彌氏によって、大正末期から昭和初期にかけて建てられました。かつての敷地内には、じつに340ヘクタールもの広大な農園が広がり、三菱を退任した久彌が、この地で農牧改良事業に余生を捧げました。往時の80分の一となった現在の敷地ですが、延々と塀囲いが続く道を歩くと、今もなおその広さには圧倒されてしまいます。別邸内には、主屋、東屋、石蔵などが残され、平成25年には、国の有形文化財に登録されました。平成24年に富里市に寄贈され、現在は一般公開に向けて準備が進められています。この建物の最大の特徴は、客をもてなすための貴賓館ではなく、あくまでも農牧改良にまい進するための住まいとして、自分のために建てた家だという点にあります。そのため、全体的には質素な佇まいをしていますが、用いられた材や技術は目を見張るものばかりです。また、敷地内にいち早く電気を引き込むなど、最先端技術の導入も特筆ものです。そんな旧岩﨑家末廣別邸にテレビカメラが入るのは今回が初めて。農牧改良に夢を託した男の貴重な遺構を余すことなく伝えます。

取材先情報

旧岩﨑家末廣別邸

千葉県富里市七栄650-25
TEL:0476-93-7641(富里市教育委員会文化資源活用室)
※現在は非公開ですが、一般公開に向け、整備を進めております。
但し、学術的もしくは建造物保存を目的とした場合に限り見学をお受けする場合もございます。詳しくは担当者宛てご連絡下さい。

※上記以外の情報については、公開出来ません。