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#149

国宝 迎賓館赤坂離宮 前編 ~日本近代建築の頂点 美の全貌~

今回は、外国からの賓客を接遇する施設、「迎賓館赤坂離宮」を訪ねます。明治42年竣工の迎賓館は、同時期に建てられた西欧の建築と肩を並べるほどの壮麗さを誇ります。明治政府樹立からわずか40年余りで、西欧の建築技術に追いついた日本人技術者たちの吸収力には驚くばかりです。設計責任者は片山東熊。辰野金吾とともに日本建築界の草分けと称される人物です。そんな片山を中心としたプロジェクトは、計画からおよそ15年の歳月をかけ、いわば日本の総力をあげて遂行されました。設計にあたっては欧州の宮殿建築を参考にしていますが、単なる模倣とはせず、明治期の日本を代表する美術家、工芸家を動員して室内装飾等を施しています。また、当時日本では最新の構造技術であった鉄骨煉瓦造をアメリカから学び、いち早く採用するなど、日本の建築界に多大な進展をもたらしました。そればかりでなく、電力設備や空調施設など、設備においても先進的なテクノロジーを導入しています。建築の壮大さ、室内装飾の豪華さ、材料や技術の優秀さ、どれをとっても空前絶後の存在、迎賓館。明治日本が威信をかけて造り上げた大宮殿の全貌を、余すところなく2回に渡って紹介します。

取材先情報

・迎賓館 赤坂離宮
東京都港区元赤坂2-1-1 TEL:03-5728-7788(テレフォンサービス)
休館日:毎週水曜日
※迎賓館赤坂離宮では、外国からの賓客の接遇に支障のない範囲で一般公開を
行っています。急遽接遇を行う場合には、予定されていた一般公開が中止になる
ことがありますので、お出かけ前に必ず内閣府ホームページにある公開状況を
ご確認下さい。
見学:見学する施設によって、申込方法、参観料金などが異なります
【前庭】10時から17時まで(16時30分受付終了)正門受付
入場見学自由。事前予約不要。参観料金無料
【本館・主庭】10時から17時(16時受付終了)西門受付
参観方法:インターネットによる事前予約(抽選)と当日受付
参観料金:大人1,000円・中高生500円・小学生以下無料
参観エリア:本館(玄関ホール、花鳥の間、彩鸞の間、羽衣の間
など)及び主庭(建物の南側)、前庭
※本館「朝日の間」は、天井絵画等の内装の改修工事のため、
平成29年2月から約2年間(予定)閉室しています。
【和風別館】参観方法:インターネットによる事前予約(抽選)の
ガイドツアー形式(40~45分程度)。
             ※本館及び主庭、前庭の見学も可能です。
        参観料金:大人1,500円、中高生700円。
交通:JR中央線・総武線「四ッ谷」駅下車、赤坂口より徒歩約7分
東京メトロ丸ノ内線「四ッ谷」駅下車、1番出口より徒歩約7分
東京メトロ南北線「四ッ谷」駅下車、2番出口より徒歩約7分
駐車場:なし

※上記以外の情報については、公開出来ません。