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#75

ここまで来た! がん治療最前線

日本人の死亡原因1位。今や2人に1人が「がん」と宣告される時代。それは、もはや日本人の国民病とも言われています。今回、番組で取り上げるのは「乳がん」「肺がん」「咽頭がん」「肝臓がん」。手術現場の最前線で繰り広げられる医師たちの戦いにカメラが潜入。そこから浮き彫りになるのは…。知っているようで知らない、それぞれの「がん」の特徴。原発性なのか?転移性なのか?昔の治療法とどこがどう違うのか?最新治療はどのステージまでの「がん」に有効なのか? もしもあなたやご家族に「がん」が見つかったら…いざという時に慌てないために、今だからこそ学んでおくべき、がん治療最新情報を徹底的に紹介します。
 
「乳がん」との戦い!
千葉県にある亀田総合病院の福間英祐医師に密着。女性の罹患率1位の乳がんは、これまでは全身麻酔をして乳房ごと切除するしかありませんでしたが、福間医師は乳がん手術に内視鏡を世界で初めて取り入れた権威です。現在はリンパ節に転移がなく、がんの大きさが15ミリ以下の、たちのよいがんであれば、液体窒素を使ってがんを死滅させる凍結療法が可能に。しかも全身麻酔ではなく局部麻酔で完了するので、時間は早ければ45分で終了。傷口も目立たず、日帰り手術までも可能にした福間医師の乳がん凍結療法を紹介します。
 
「肺がん」との戦い!
東京・新宿区にある東京女子医科大学病院の神崎正人医師に密着。当病院では肺がんを分析するオリジナルの3Dソフトを開発。肺の作りは個人差がありますが、患者のCTデータから肺の3Dモデルを作成し、気管支、肺動脈、肺静脈など色分けして見ることで手術のイメージをシミュレーション。
外科手術を行うのはステージ2まで、まれに3の患者まで行います。神崎医師は患者の症状を見て、胸腔鏡手術かダヴィンチ手術かを決定。これまで肺がん手術の分野では、自由診療に組み込まれ高額医療だったロボット支援技術によるダヴィンチ手術。今年度から肺がんでも保険適用に。ダヴィンチ手術のエキスパートである神崎医師の手腕とは?
 
「咽頭がん」との戦い!
東京・有明にあるがん研有明病院の三谷浩樹医師と福島啓文医師に密着。手術用顕微鏡を用いたマイクロサージャリーという手術は4,000例に達し、成功率は97%。マッチ棒ほどの太さの血管を縫い合わせるため、髪の毛よりも細い糸と針を使い作業。手術は長ければ12時間を要する事もあるという。
また、手術で声帯を失った患者には、“シャント法手術”を勧めている。これがうまくいけば電気式人工喉頭の電子音ではなく、普段に近い声で会話することができるようになるという。実際にこの手術を行った患者に密着、声帯摘出から1年ぶりに発した声とは…?
 
「肝臓がん」との戦い!
東京・板橋区にある日本大学医学部付属板橋病院の高山忠利医師に密着。「他の病院が手術をあきらめた肝臓がんならこの病院へ」といわれ、8年連続国内トップクラスの実績。治療アルゴリズムは、肝細胞がんならば、肝機能のレベルがChild-Pugh分類がA,Bで肝外転移がないなど、もろもろ条件を満たせば開腹手術が可能です。
昔は肝臓そのものを大きく切断していましたが、今は8つの区域切除が可能に。肝臓の門脈に色素を注入して切りたいポイントをマーキングします。また、日本肝臓学会理事でもある高山医師の手術法は、まれにみる出血量の少なさ。平均出血量は320CC(全国平均は1000ml)なので、輸血の必要がありません。目指した肝臓がんの部位を迷わず切り進み、しかも血管を1本1本丁寧に縛っていく高山式手術を紹介します。